防水工事業について
国土交通省で建設業許可事務ガイドラインが作成されています。
ガイドラインでは、防水工事業について以下のように示しています。
防水工事の内容
アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事
防水工事の例示
アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事
建設工事の区分の考え方
- 『防水工事』に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当する。
- 防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能である。
建設工事の内容によっては、防水工事業の建設業許可でなく「とび・土工・コンクリート工事業」の建設業許可が必要と書かれています。
同様に「左官工事業」の建設業許可でも施工可能なものがあります。
トンネル防水工事も自社で施工するなら、防水工事以外の業種の建設業許可をまとめて取得しておくと、手数料の節約になります。
一般建設業許可で宮崎県知事に申請する場合、許可を申請する業種の数にかかわらず、手数料は9万円です。
防水工事業の略号
宮崎県の建設業許可業者名簿や、建設業許可申請時には、防水工事業の略号として「防」が使用されます。
経営業務の管理責任者
業種を問わず、建設業における経営業務の管理経験が5年ないし6年以上あれば、防水工事業の経営業務の管理責任者になれます。
専任技術者
防水工事業の建設業許可を受けようとする営業所ごとに、専任技術者の配置が必要です。
同一の専任技術者(人物)が、複数の営業所の兼任はできません。
同一営業所内であれば、防水工事業の専任技術者が他の業種の専任技術者と兼任する事は可能です。
一般建設業許可の場合
防水工事業の専任技術者になれる資格には、主に以下があります。
- 建設業法による技術検定のうち検定種目を1級の建築施工管理又は2級の建築施工管理(種別を「仕上」とするものに限る。)とするものに合格した者
- 職業能力開発促進法による技能検定のうち検定職種を1級の防水施工とするものに合格した者又は検定職種を2級の防水施工とするものに合格した後防水工事に関し1年以上実務の経験を有する者
- 平成16年4月1日時点で旧技能検定のうち検定職種を1級の防水施工とするものに合格していた者
- 平成16年4月1日時点で旧技能検定のうち検定職種を2級の防水施工とするものに合格していた者であってその後防水工事に関し1年以上実務の経験を有するもの
- 建築工事業及び防水工事業に係る建設工事に関し12年以上実務の経験を有する者のうち、防水工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
以下の指定学科を卒業し、3年ないし5年以上の実務経験を有することで、一般建設業許可の防水工事業の専任技術者になれます。
- 土木工学又は建築学に関する学科
指定学科を卒業していなくても、10年以上の防水工事業の実務経験があれば、一般建設業許可の専任技術者になれます。
卒業証明書や工事契約書などで証明が必要です。
特定建設業許可の場合
特定建設業許可の防水工事業の専任技術者になるには、主に以下の要件が必要です。
- 建設業法による技術検定のうち検定種目を1級の建築施工管理とするものに合格した者
以下のいずれの要件も満たせれば、特定建設業許可の防水工事業の専任技術者になれます。
- 一般建設業許可の防水工事業の専任技術者の要件に該当。
- 元請として4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的な実務の経験を有する。
防水工事業の動向について
防水工事業の動向を、建設業許可業者数や完成工事高の推移で追ってみます。
防水工事業の建設業許可業者数について
防水工事業の建設業許可取得率は約7.0%で、29業種17番目です。
防水工事業の許可業者数の増加率は、全業種中、熱絶縁業に次いで2番目です。
平成12年3月末で14,977業者だった許可業者数は、平成31年3月末で32,970業者と倍増しています(増加率120.1%)。
防水工事業の完成工事高
平成29~30年度の元請工事の防水工事業の完成工事高は、以下のように推移しています。
※単位:百万円
総計 | 民間工事 | シェア | 公共工事 | シェア | |
平成30年度 | 102,470 | 76,012 | 74.2% | 26,458 | 25.8% |
平成29年度 | 102,499 | 81,050 | 79.1% | 21,450 | 20.9% |
公共工事の割合は、民間工事の2割程度です。
2年間の完成工事高のバラつきは殆どなく、安定しています。

建設業許可関連 リンク集
- 建設業許可関係申請様式(宮崎県)
- なんでも経審Plus(CIIC)
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