設備投資
筆者なりの見解です。予めご承知おき下さい。
設備投資に当たっては資金面も然る事ながら、設備投資の目的の明確化と、計画的な設備投資の実施が大切かと存じます。
設備投資の目的としては大きく以下が考えられるでしょうか。
設備の代替 | 増産・販売力増強 | 製品の品質向上 | 情報化関連 |
維持・補修 | 新製品の生産 | 倉庫等物流関係 | 地球環境問題への対応 |
合理化・省力化 | 新規事業への進出 | 研究開発 | 福利厚生 |
※中小企業設備投資動向調査[2019年1月調査] – 商工中金を基に作成
「合理化・省力化」や「維持・補修」「既存設備の代替」では現在のランニングコスト、「製品の品質向上」では歩留まり、「新規事業への進出」では既存事業の収益性や将来性など、経営の見える化が出来てないと設備投資の是非を検討する事も難しくなります。

また、複数の設備投資が検討されるような場合、優先決めも重要でしょう。例えば「新規事業への進出」で設備投資を実施したものの、想定外の「維持・補修」や「既存設備の代替」が必要になり、資金繰りに困るような事態になっては、事業の継続が危ぶまれますし、新規事業の確立にも支障が生じるかも知れません。

設備投資を借入で行うなら、設備投資計画と事業の見通し、返済計画のバランスは考慮する必要があるでしょう。また、定年退職が続き、退職金の支払いがかさむ等のような、他の要因による支出の予定も、予め織り込む必要があります。
固定資産増は経営事項審査の評点ではマイナス要因とご紹介しております。加えて、設備投資によって借入金の増加や自己資本(利益剰余金)の減少が起これば、同じく評点には悪影響を及ぼします。その観点からも、設備投資には計画性が求められます。
設備投資がよくないという事ではなく、一般論として設備投資で利益率が向上しますし(経営事項審査におけるプラス要因)、減価償却をしっかり行えば固定資産は目減りさせられます。

建設業設備投資で「合理化・省力化」「既存設備の代替」目的で行う場合、具体的にどの工程が圧縮されるのかや、よりよい、複数の機能を持った設備や重機が開発されていないかなどの把握や情報収集も大切かと存じます。
以上を踏まえて、建設業設備投資で使えそうな補助金制度などをご紹介していく予定です。
効果的に設備投資を実施して、評点をアップさせましょう。
参考までに、2018年版中小企業白書から経常黒字と赤字企業の設備投資動向をご紹介します。
従業員20名以下の建設業者が対象になる補助金があります。
ほぼ毎年、繰り返して補助金を受給できます。
投資額の3分の2、最大50万円まで補助されます。
採択率も9~5割と高めです。
申請用紙も数枚で済みます。
経営事項審査と併せて、ご検討下さい。